空間視点で考えるコーディネート
共有ポイント
- 商品から空間へ、視点を変えて考えよう!
発表者
営業1部 酒井 理恵子(さかい りえこ)
第9回目は「家具屋とのコラボレーション展示」の事例について、営業1部の酒井さんにお話を伺いました。相互利益を生み出せる関係性を創り上げたのは、視点を変えた空間提案が鍵でした。明日からの営業活動に活かせるストーリーをお届けします。
※展示張地はこちら
― 今回、酒井さんには「イヨベ工芸社新作展示会」についてお話しいただきます。はじめにイベントの概要についてお聞かせいただけますか?
酒井)(以下、酒)イヨベ工芸社(以下、イヨベ)から、新作展示会でMANASとコラボレーション出来ないかとのご相談があったのがきっかけです。住友林業(以下、住林)をメインターゲットとして新作展示会から家具フェアへの売上拡大を目的にしていたため、住林担当経験のある私が企画に参加することになりました。
展示会を訪れるお客様やICの皆さまが空間全体をイメージしながら家具をご覧いただけるよう、樹種コーディネートに基づきカーテンやラグ、クッションなどを5つのシーンに分けて展示しました。
― 活動後、どのような状態になることを目指しましたか?また活動前はどんな状態でしたか?
酒)展示会前はOEMやコントラクト案件などがお取引のメインだったため、こちらから能動的に関わる機会は限られていたのではないかと思います。そのため、展示会を通して依頼する側と依頼される側の関係性ではなく、相互利益につながるような関係性になることを目指しました。
スタイル:OAK WHITE
― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか?
酒)当初イヨベが計画していた展示はアーバン・ナチュラル・シャビーなどスタイルがテーマのもの。ちょうどその時期に営業1部内で住林向け樹種コーディネート企画が動いていたこともあり、「せっかくなら住林樹種を基にした空間展示はいかがですか?」とご提案しました。
展示家具はイヨベで決められていたため、最初に各樹種空間でどの家具を採用するかを決めていただきました。それを踏まえ発売直前のMANAS椅子張り生地をイヨベと一緒にセレクト。その後、家具や樹種に合わせてカーテンやラグ、クッションなどシーン毎のディスプレイを組み立てていきました。
― なぜ空間コーディネートでの展示をご提案したのですか?
酒)展示会のお声がけの前に色彩塾で床から始まるコーディネートを学んだばかりだったので、そこでの知識を活かしたいと思ったのがきっかけです。
これまでイヨベは家具単体での展示が主流でした。ただ空間は家具ひとつで構成されるものではありません。床と家具の樹種をマッチさせ、そこにラグやカーテンも含めた空間全体の色彩設計を根拠と共にご説明すれば、きっとICの皆さまの琴線に触れるはず。
家具と張地のマッチングではなく、空間の中でイヨベの家具がより魅力的に見えるように空間コーディネートという一歩引いた視点を持って展示のご提案をしました。イヨベとMANASによる今までとは異なる視点での設えへの挑戦は、空間全体をイメージしながら家具をご覧いただける新しい形として社内外の好評を得ました。
スタイル:OAK BLACK
― 視点を変えて提案をしたことによってどんな効果がありましたか?
酒)イヨベが認識するMANASのポジションを変えることが出来たと感じています。今回は椅子張りだけでなく、MANASのカーテンやラグなどの幅広い商品や提案力でお役に立てたこと。そして、新作の椅子張り生地をいち早く家具に仕立てていただき、その美しさを私たちが実感出来たこと。
イヨベとMANASの双方に良い効果が生まれ、協働する中でリスペクトし合える貴重な機会となりました。
― 工夫したポイントについてお聞かせいただけますか?
酒)展示会用のディスプレイ品は無償提供だったため、なるべく費用をかけずに目指すコーディネートを作り上げる必要がありました。ショールーム(以下、SR)や倉庫を片っ端から確認し、カーテンはカタログ撮影用ディスプレイ、クッションやラグはSR展示品とショップチーム用をやりくりしてなんとかシーンをまとめあげることが出来ました。
展示会の前日にはシーンごとのコーディネートについて、イヨベの皆さまへご説明する機会を設けていただきました。その際にお渡しした資料に色彩設計や根拠を掲載。出来上がったシーンの心地よさを実感していただきながら説明したことで、より納得していただけたように思います。
プレゼン資料【PDFはこちら】
― イベント後、お客様との関係に変化はありましたか?または、お客様からいただいた声をお聞かせください。
酒)展示を気に入っていただき、展示会終了後もイヨベSR常設用として一式ご購入いただけることになりました。最終的には椅子張り生地を中心に約140万円の受注に繋がりました。
展示会後の住林家具フェアでは過去最高の実績となり、今年のオルガテック出展についてもお声がけをいただくなど、お取り組みの継続を希望してくださっています。その他にも、イヨベからの新規の引き合いやご紹介も増え、展示会を機に信頼関係が構築されてきました。
現在はMANASの商品を出来るだけ提案しようとご尽力してくださり、MANASとしてもどんな形でイヨベのお役にたてるかを考えるといった良い関係値を築けています。
スタイル:WALNUT
―皆へのメッセージをお願いします。
酒)今回カラーも含めたコーディネート提案の根拠を示すことで説得力が増し、お客様の納得感が違うと実感しました。
4月から全国でカラーアカデミーの研修がスタートしているかと思いますので、一緒に学んでいきましょう!
部署名: 営業1部
氏 名: 酒井 理恵子(さかい りえこ)
入社日: 2013年3月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
酒)新卒でリフォーム会社に入社。家に関する幅広い業務に携わるなかで、インテリアの中で何かひとつプロフェッショナルになりたいと思うようになり、輸入造作キッチンの会社を経てMANASへ入社。
― いまはどんなお客様を担当されていますか?
森ビル株式会社
三井デザインテック株式会社リフォーム事業部
株式会社カーテンココ など