八尾さんに学ぶ、ラグのスケジュール管理術!
共有ポイント
- 納品までの一連の流れを書き出そう!
- 加工指示書には完成図を必ず描こう!
発表者
大阪営業所 八尾 絢子(やお あやこ)
― 最初に物件の概要についてお聞かせいただけますか?
八尾)(以下、八)はい。プレテリアテキスタイル(以下、プレ)より、ブリリアタワー堂島共用部にこのラグを使用したいと、「MANASでは取り扱いのない品番」の書かれた資料やサンプル写真が送られてきました。それは物件のデザインをしたオランダ人のデザイナーが選ばれた「CARPETLINQ (オランダのカーペットメーカー)」の商品。まずは山上さんと外山さんに購入可能か現地に問い合わせていただくところから始めました。
この時、プレからは現場納品まで任せたいとご依頼を受けていましたが、私自身MANAS以外のラグを納めたことがなく、現場納めも初めてでした。そこで、四宮さんに職人を紹介してもらい、現場の納めや防炎についてご相談させていただきました。
八尾さんがラグについて勉強された職人さんお手製の資料(PDFはこちら)
※社外秘となります
― 納品された商品をお知らせください。
八)CARPETLINQとLIMITED EDITIONのラグを計5枚納品しました。
CARPETLINQ
DAVID DB005:5510 x 4490㎜(楕円形)
上代価格(税抜)¥3,085,000
LIMITED EDITION
Splendid(High)SD17541 Light Silver:4050 x 4050㎜(正方形)
上代価格(税抜)¥3,227,400
― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか?
八)自社製品以外の販売がはじめてのため、何よりも決まった商品を”どのようにして無事、スケジュール通り納めるか”ということに注力して進めました。まずは流れを想像するために、納品から逆算して考え、納品までの一連の流れを紙に書き出しました。
商品の仕様から生産・輸送スケジュール、国内入荷後の保管場所、大型のラグを納める方法まで地図のように書き出し、どこの部分に何が必要かを可視化しました。例えばプレから現場の図面をいただき、エレベーターでラグを運べるか搬入経路を確認するなど、その地図を元にひとつひとつの工程の確認に時間を費やしました。
八尾さんがスケジュール管理をするために描き起こした地図(PDFはこちら)
<地図作成時のポイント>
★最初に確認すること
・納期(いつまでに入れたいのか)
・搬入の仕方、経路(階層・エレベーターの有無など事細かに)
→ 発注内容に影響します
・ジョイントの有無(特に大きいサイズは分割しての製作が必要)
★現場納品に関わるメンバーとは、当日の動きや納品完成像を共有出来ている状態を目指すのが大切!
― 工夫されたポイントをお聞かせいただけますか?
八)共同者との情報共有です。候補品の廃番に伴う代案出しや海外デザイナーの確認など、商品の決定まで時間を要するため、進捗を常に共有出来るよう、外山さんにExcelの共有ファイルを作成していただきました。そこにはラグの物量や大きさ、重さ、梱包後のサイズなどを事細かに書き出し、遠方でのやり取りでもスムーズに進行出来るよう工夫しました。
外山さんとの共有資料(PDFはこちら)
八)納品当日のオペレーションが上手く出来たのは、事前の段取りを十分にしたことに加え、職人の方や商品部の外山さん、納期管理や発注時のアドバイスをくださった大阪業務担当の藤原さん、CARPETLINQからのサンプル提供など、皆様の細やかで迅速なご協力があってこそだと改めて感じています。
― 今回の物件を通して、八尾さんが学ばれたことをお聞かせください。
八)納品スケジュールの調整でも学びは多かったですが、トラブルが生じた際の対応については更に多くのことを学びました。今回の納品スケジュールは2回に分かれており、第一弾は2024年1月、第二弾は4月の予定でした。第一弾の納品1週間前、CARPETLINQの商品のうち一点にサイズ間違いが発覚。それに続き納品当日にはLIMITED EDITIONのラグを台車に乗せた瞬間、形状間違いに気づきます…。発注書には正方形と書かれていましたが、実際には角を丸くした提灯のような絶妙な楕円形のラグ。結局、第一弾で納品出来たのは、3枚のうち1枚のみとなりました。
どちらも私たちのミスではなかったのですが、これらを受けて、発注前には加工指示書を通した確認は必須だと感じました。加工指示書にはラグの完成図を描き、お客様、営業、業務、商品部間で必ず共有し、誰もが共通の完成イメージをもっている状態が大切だと思います。
― どのようにしてトラブルを乗り切られたのでしょうか?
八)ラグに関してご相談をしていた施工店のファミール内装の力をお借りして、ウィルトン織が出来る織物会社の村上敷物をご紹介していただきました。そこでは再納品までのラグの保管と、サイズ変更後の縁処理(オーバーロック加工)をしていただきました。正方形から楕円形への変更が必要なラグは、お客様と交渉を重ね、プレの親会社であるスミノエに依頼することとなりました。
オーバーロック加工に使用する糸の選定
ラグのカットから縁処理の様子
― 納品後、お客様との関係に変化はありましたか?また、八尾さん自身の変化をお聞かせください。
八)今回の物件を通して、お客様とは以前より突っ込んで話せる関係になったと思います。また自身の意識も変化しましたね。「誰のミス」「どんなミス」であろうと、自分事として受け入れる。ひとつの目的達成のために、こちらの出来る範囲を見極めつつ最後まで向き合うことが、今後の仕事へ繋がると強く感じました。「乗り掛かった舟やから最後までがんばるんや!」と、職人の方や織物工場の方からお言葉を何度もいただき、その姿勢を直接感じることが出来たのは宝物だと思います。
― 皆へのメッセージをお願いします。
八)良い時もピンチの時も、明日は我が身ということで、皆で助け合って進んでいけるチームが出来れば良いなと思います。
部署名: 大阪営業所
氏 名: 八尾 絢子(やお あやこ)
入社日: 2019年6月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
八)大学卒業後は理学療法士として病院勤務をしておりましたが、職場の先輩の勧めで一人暮らししたことをきっかけに、インテリアにまつわるお買い物が楽しくなり、素敵な店員さんにも感化され、ライフスタイルショップ(IDEE)に転職しました。そこではアートを担当していたのですが、ファブリックにもアートの魅力を感じ、興味を持ち始めました。しかし、販売していてもそれ以前の商流がよく理解できず、納得のいく販売ができなかったため、商流についてもっと追求したいと思いMANASへ転職しました。
― いまはどんなお客様を担当されていますか?
八)主にマンションやショップを中心に担当しています。
お客様について
客先名 | 株式会社プレテリアテキスタイル |
事業内容 | 施工店 |
販売金額 | 40期 55,836千円 / 39期 46,359千円(プレテリアテキスタイル大阪のみ) |
商品 |
マンション販売会やモデル、コントラクトなど |
物件について *施工事例はこちら
物件名 | ブリリアタワー堂島 共用部 |
納品年 | 2024年1月、4月 |
商 品 |
【CARPETLINQ】※すべて上代価格(税抜) |
売 上 |
・2024年1月分 6,187,440円 |
共同者:
商品部:外山 弓枝(発注対応)
営業企画部:山上 紘子(商材問い合わせ)
大阪営業所:藤原 優子(業務担当)