
売り上げ10倍の鍵
共有ポイント
- アプローチをICひとりひとりにかけてみよう!
- ICの背中を押せるような企画を考えてみよう!
発表者
仙台営業所 磯部 梨野(いそべ りの)
事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。第36回目は仙台営業所の磯部さんにお話を伺いました。磯部さんが積水ハウスの営業担当を引き継いだ当初の売り上げは13万ほど。そこから3年間の営業活動を経て、売り上げを10倍に延ばしたのはICひとりひとりとの関係構築が鍵でした。
― 営業活動の概要についてお聞かせいただけますか?
磯部)(以下、磯)2022年に前任の営業担当から引き継いだ積水ハウス(以下、積水)は東北エリアで着工件数を伸ばしていたものの、MANASでカーテンをご選定いただくことはほぼゼロ。積水オリジナルの「シック」がカーテン売り上げの80%を占めていた状態でした。営業へ出向いても、建売で何とかラグが決まる程度。MANAS商材はクラシックのイメージが強いため、インテリアコーディネーター(以下、IC)の皆さまに積水にマッチする生地もたくさんあること、そしてMANASのカーテンで家の中をもっと豊かな空間にできるということを知っていただくにはどうしたら良いかと、ICとの関わり方やイベント企画を考えていきました。こちらから営業に出向いての提案ばかりだった状態を、アプローチをかけずともICから積極的に連絡や相談をいただける環境づくりを目指した取り組みです。
第1回目カーテンフェアのようす
― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか?ご紹介する時には何をお見せしましたか?
磯)まずは積水の施工店である西武へアプローチをかけて、物件の情報共有をすることから始めました。いつどんな物件があるのか、ある程度の情報を調べてから積水の担当ICにアポイント(以下、アポ)を取ってインタビューし、提案します。ひとりひとりと話していくと、生地単価を上げたいけれど、高いものを提案する自信がないという共通の課題に加えて、それぞれが抱えている困りごとが見えてきました。
そしてMANASを知っていただく第一歩として、ICの皆さまへ向けてエディター新作の勉強会を実施。商品やブランドだけでなく、カーテン縫製や素材に関する知識も盛り込みながらご紹介します。その後も何度か勉強会を重ねて、私たちの商品が浸透してきたタイミングでフェアの企画書を持ち込んだところ、快く承諾していただき、第1回目のMANAS単独カーテンフェアを開催する運びとなりました。
カーテンフェア企画書 *PDFはこちら
第1回目はICとEUにMANAS商材の可能性を知っていただくことを目的として、「NUNO=∞」をテーマに企画を進めていきました。設えに関する部分はこちらに託していただけたので、西武と打ち合わせをしながら決定。会期中の受注数は少なかったものの、「今までにはない展示でよかった」とICからご好評をいただきました。
第1回目カーテンフェアのようす
その後、各営業所で作成した積水6樹種コンセプトボードに合わせたクッションプランの紹介と同時に、第2回目のカーテンフェアの企画書を持ち込み。クッションプランは商品の見え方も伝わり方も抜群に変わったため、先方もとても気に入ってくださり、単独カーテンフェアの開催も承諾していただけました。ディスプレイも6樹種のコンセプトに分けて魅せ方を工夫。フェア前には、福岡営業所の藤崎さんが作成してくださったクッションプランの資料をもとに、ICに向けて勉強会を行いました。さらに第2回目のフェアでは西武の協力のもと、ハギレを使ったくるみボタンやタッセルを制作するワークショップも開催させていただきました。
ワークショップで制作したタッセル
― 工夫したポイントについてお聞かせいただけますか?
磯)ひとつは勉強会をきっかけにカーテンフェア開催の流れをつくれたことです。フェアは、ICの皆さまが勉強会でインプットした知識をアウトプットしていただける絶好のチャンス。当日にバックアップすることはもちろんですが、フェアの本番を迎える前に改めて懸念点を解消したことで、ICの皆さまの自信にもつながり、私に対する信頼も得ることができたのだと思います。
そして、ディスプレイについては積水側から「今までも家具屋と展示会やフェアを行ってきたものの、なかなか売り上げに繋がらない。家具フェアでカーテンのハンガーサンプルが並んでいるだけのディスプレイは飽きてきたため、EUが興味を持つような空間をつくってほしい」というご要望がありました。
そこで第1回目のフェアでは、普段見ることの少ないエディターの生地やクッションをセレクトしてキャッチーに。第2回目は6樹種コンセプトボードに合わせて設えを考えました。どちらも、カーテンフェアや受注販売会でよくあるようなハンガーサンプルを並べるだけでなく、空間で見せることを意識。特に第2回目のフェアは、積水の6樹種コンセプトに合わせてMANAS商材をセレクトしたことで空間のイメージがしやすくなり、EUの皆さまにもより印象的に映ったのではないかと思います。
第2回目カーテンフェアのようす
MANASで取り扱っているものはデザイン性に優れているし、ひとつひとつの商品にストーリーがある。そんな生地を扱っているメーカーはそうそういないと思います。私たちの商品で作り上げる空間に満足していただける自信があったので、施工店の西武と相談しながら、お客様が立ち止まってくれるような空間づくりを心掛けました。
― お客様の琴線に触れたものは何でしょうか?
磯)住宅シェア率の高い積水には、他のメーカーも営業をかけていたとは思いますが、そんな中でMANAS単独のフェアを開催できたのは、ICひとりひとりと関係を構築していったことが大きいと思います。
私自身、この活動前に山本本部長に売り上げが伸び悩んでいることを相談したところ、毎月1人のICと仲良くなることを目標にしてはどうかとアドバイスをいただきました。そこで、積水ハウス仙台支店の全方位に向けていた営業活動から、ICひとりひとりと向き合い、それぞれの困りごとをインタビューして解消するという方向性にシフトチェンジ。すると、ICの方々は「本当は輸入カーテンも販売してみたいけど、知識も自信もない」や、「そもそもAフックとBフックって何?」などの悩みや困りごとに溢れていました。積極的に会話を重ねることで、誰にどういう提案をするべきか、それぞれのICの好みや性格を考慮した上での会話や提案が必要であるということに改めて気付かされました。
ICひとりひとりが何に困っていて何を求めているのかを引き出す。そしてその課題を解決できるような機会を設けた後、背中を押せるようなイベント企画や勉強会を行ったことで、ICの皆さまも自信をつけてご紹介していただくことが可能になり、信頼関係を構築できたのではないかと思います。
また、積水の6樹種コンセプトに合わせたクッションプランを作成したことも大きなポイントだったように思います。これは、全国の営業所の各積水ハウス営業担当が1樹種を担当して作成したものなのですが、動き出したのは2023年9月頃だったため、色彩塾は未受講。営業1部の御所さん、宮田さんから「酒井さんが通っていた色彩塾の知識を生かして作成してみないか」とお声がけをいただいてチャレンジしました。自分の中でインプットしきれていないものでも、挑戦してみたい!と感じ、積極的にアウトプットをして取り組んだことでICの皆さまにも喜んでいただくことができました。
クッションプラン「艶」
*各クッションプランのPDFはこちら
*積水ハウス6樹種コンセプトのPDFはこちら
― 活動後、お客様との関係に変化はありましたか?または、お客様からいただいた声をお聞かせください。
磯)フェア後には、展示に使用していたÉLITISのクッションやカーテンの受注があり、今では新築だけでなく、積水ハウスカスタマーズセンター(リフォーム部門)や県外の山形支店からもオファーをいただいています。さらに、2回目まではこちらからの提案でのフェア開催でしたが、今年は積水側から「フェアをお願いしたい」とお声がけいただきました。
また、MANASの生地を勧めてみたいというICが増え、新作発表会でも6名全員に参加していただけるようになり、建売だけでなく新築物件でも毎月コンスタントに受注をいただいています。
第3回目カーテンフェアのようす(テーマ:handsome black)
―皆へのメッセージをお願いします。
磯)2:8のパレートの法則については、皆さんよく聞かれるかと思いますが、「インプットは2割・アウトプット8割が成功につながる。完璧ではなく、まずは実践し完了主義になろう」と、ある本に書いてありました。今回のフェアは、樹種コーデやカラーセミナーのアウトプットができたことにより、開催できたと思います。学んだ事を実践すると自分の自信にも繋がるので、皆さんにもどんどんいろんなことにチャレンジしてほしいです!
(右)
部署名: 仙台営業所
氏 名: 磯部 梨野(いそべ りの)
入社日: 2012年7月
(左)福岡営業所 藤崎 友(ふじさき ゆう)
― 趣味を教えてください。
磯)昔から絵を描く事が好きで、墨絵教室にも通っていました。絵画教室に通っていた母と、ペンキ屋の叔父に影響を受け、美術館を巡るのも大好きです。
― これからチャレンジしていきたいことは?
磯)登山にチャレンジしたいです。あまり運動は得意ではないのですが、現在通っているヨガの先生が登山のインストラクターをしていて、私が知らない場所を沢山知っているので、いろんな場所を訪れてみたいです。
客先名 | 積水ハウス仙台支店 |
事業内容 | 住宅の設計・施工 |
販売金額 | 39期 20万円/40期160万円/41期250万円着地予定 |
商品 |
カーテンフェア(マナトレーディング単独)の開催 |
営業活動について
名称 | 積水ハウス カーテンフェア |
実施年 | 第1回目2023年12月・第2回目2024年4月・第3回目2025年2月予定 |
商品 | カーテン・ラグ・クッション・スツール |
共同者:
福岡営業所:藤﨑 友(6樹種のクッションプランシート作成)