スキルアップに繋げるために
共有ポイント
- 自分に足りないことを把握して、インプットの質を高めよう!
発表者
仙台営業所 曽根 祥太(そね しょうた)
事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。第28回目は仙台営業所の曽根さんにお話を伺いました。
― 今回、曽根さんには「町田ひろ子アカデミー課外授業」についてお話しいただきます。最初に、今回のイベントの概要をお聞かせいただけますか?
曽根)(以下、曽)町田ひろ子アカデミー(以下、町田)講師である、フリーのインテリアコーディネーター(以下、IC)のOne Crie石橋様よりウィンドウトリートメントに関する課外授業の依頼がありました。昨年までは磯部さんが担当されていたのですが、今年は私が担当することに。これまでお客様に新作やおすすめの商品を紹介することがあっても、繊維や加工などのより基礎的な内容を説明することはなかったため、自分自身も改めて学び、成長するきっかけにもなると思い引き受けました。
— 活動後、どのような状態になっていることを目指しましたか?また活動前はどんな状態でしたか?
曽)今回の課外授業に参加される生徒は、町田に入学してから本格的にインテリアに関する勉強を始めたお二方。卒業後に業界で活躍される際には、ファブリックのことなら最初に相談に来てほしいという思いで取り組みました。未来のお客様をつくる啓蒙活動の面も大きかったです。
お二方は各インテリアメーカーのショールームで課外授業を受けており、多くの知識を短期間で蓄えられている状態でした。お伝えするすべての知識を持ち帰っていただくことは難しいだろうと思い、まずはファブリックに触れてもらい、組み合わせることの楽しさや面白さを感じて帰っていただくことを目指しました。
そして、このような勉強会がある度にMANASへお声掛けしてくださるのは、これまでの説明会やセミナーでの情報の発信に満足いただき、私たちに頼めば丁寧にわかりやすく説明をしてくれるといった信頼を得ているからだと思います。その信頼を裏切らない、かつMANASだからこそ提供できる価値—上質なファブリックを用いて生地の組成や仕組み、流行を交えながらのご紹介—をお届けできるよう努めました。
― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか?
曽)石橋さんから、大体のタイムスケジュールとMANASが担当する部分の内容をお伝えいただきました。私が担当したのは下記のセクションです。石橋さんが進行役として授業を進め、各セクションで私に振っていただき、生地サンプルを用いて説明するという流れでした。
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①マナトレーディングの紹介
②天然繊維について(コットン・シルク・ウール・リネン)
③4つの空間に合わせたコーディネート例(ナチュラル・ダンディ・クリアクール・エレガント)
④二次加工について(モアレ加工・チンツ加工・エンボス加工・オパール加工 他)
⑤機能性について(サンフォライズ加工・ラミネート加工 他)
⑥レースの種類について(ボイル・ジョーゼット・オーガンジー・エンブロイダリー 他)
⑦見本帳・価格表の見方
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*当日のPDF資料はこちら
③ 4つの空間に合わせたコーディネート例は、町田が定めているイメージスケールから上記のスタイルを石橋さんが選定し、事前の打ち合わせにてコーディネートを決定。それに加え、磯部さん、萩尾さん、私の3名が各々のおすすめコーディネートを用意して紹介しました。
丁度カラーセミナーでコーディネートの勉強をしていたタイミングだったので、始まりの色を意識してコーディネート。以前までは、「ナチュラル」だったら素材感や質感を見て生地を選定してきましたが、黄色から始まる、かつリネンライクな生地やタッセル選ぶことを心掛けました。普段行っている生地選びも、始まりの色を意識して選定する習慣がつき、より自身を持ってコーディネートをご提案することが出来ています。
②④⑤⑥については、該当の生地サンプルを用意し、生徒の方に実際に触れていただきながら説明しました。
また、開催の直前に営業企画部の中尾さんより仙台営業所向けの勉強会があり、その際に繊維や加工について勉強する中で疑問に思った点を質問し、直接教えていただきました。改めてどのような加工なのか、工場で行われる手順や、実際にその加工を施しているMANASの生地がどれなのかなど、自分の中に落とし込めるまで何度でも質問。知識を蓄えると同時に気持ちにも余裕が生まれ、本番では自信を持って説明することが出来ました。
― プレゼンを進めていく中で、どのようなことを意識していましたか?
曽)できるだけ難しい言葉を使わず、専門用語などは身近なものに例えて話すことを意識しました。例えば、「ドレープ→厚手のカーテン」、「ケースメント→薄手のカーテン」。繊維の説明では、衣類や寝具を例に話しました(コットンやリネン→シャツ、ウール→ニットのセーター、シルク→寝具)。
私自身もMANASに入社した時はファブリックに関して完全に素人。初めて聞く用語ばかりでひとつひとつ覚えるのに苦労した経験があるので、その当時を思い出し、普段エンドユーザーへ紹介する時と同じくらい簡単に、かつ丁寧に話すように心掛けました。
― お客様の琴線に触れた部分は何でしょうか?
曽)実際に生地を見て触りながら説明や比較をしたことで、より特徴を理解していただけたように思います。生地の素材感や特徴、加工前と加工後を言葉で伝えるだけでなく、触れて体感して覚えてもらったことで非常に反応が良く、楽しみながら学んでいただけたと感じます。
例えば、シルクの説明をする際はケルムスコットツリー327(コットン・リネン・ナイロン)とKelmscott Tree 237206(シルク・レーヨン)を見てもらい、同じデザインでも素材や縫製が変わることで雰囲気がガラッと変わる。チンツ加工を説明する際は、ホットハウスとボーテを比較し、同じコットン100%でも光沢感や手触りが違うことを実感していただきました。
― 活動後、お客様との関係に変化はありましたか?または、お客様からいただいた声をお聞かせください。
曽)生徒のお二方からは、「わかりやすい説明に加えて、生地サンプルを見ることが出来て楽しい時間だった」と感想をいただきました。石橋さんからは、「説明が大変丁寧でわかりやすく、本物のサンプルを見て触ってじっくりと体感でき、生徒の方もとても勉強になったことと思いますし、私自身もとても勉強になりました」とご連絡をいただきました。
また、仙台ではICに町田の卒業生が多くいらっしゃいます。比較的狭い市場のため、今までも卒業後にスムーズに関係値を築けるケースが多くありました。今後もそういった形で関わっていただけることを期待したいです。
— 今回の案件を通して、ご自身の中でなにか変化はありましたか?
曽)ひとつは知識力とプレゼン力が上がりました。今までは見栄えと特徴をお伝えするところでまで。しかし、今回の案件を通して生地が織られる背景や加工の背景も説明できるようになり、価格が高い理由や注意事項も併せてお伝えできるようになりました。例えば、今までは「リネンは伸び縮みする商品です」とお伝えしていたのが、「リネンは水分を吸収・放出しようとする力があるため、伸び縮みがある素材です」など、話せるワードが増えたと同時に、より説得力を持った説明を自分の言葉でお伝えすることが可能になりました。
また、これまで上手く言語化できなかった「MANASオリジナル商品への想い」や「流行に基づいたMANASらしい生地の開発」について自分の言葉で説明できるようになったことは、大きな変化だと感じます。
もうひとつは生地の見方。MANASオリジナル商品だけでなく、エディターの生地を見て“この生地ってどういう風にできているのかな”とさらに商品に対して興味を持つようになりました。それと併せて、加工工場の見学もしてみたいと思うように。中尾さんからどのような加工手順なのかはお話しいただきましたが、耳で聞くだけでなく、実際に工場へ出向いて自分の目で見てみたいと思いました。
今回の案件を通じて、依頼を成功させることはもちろん、お客様からより信頼していただくために自分に出来ることを考えるヒューマンスキルが上がったように思います。表面上の情報だけでなく製造の背景などをしっかりと自分の中に落とし込み、自分の言葉として説明できるようになる。そのためには現状何が足りてないのかを把握して、どのようにして補うのかを考えていく。自己成長するために何が必要かを意識しながら今回の案件を取り組めたことが一番のスキルアップだと感じます。
― 皆へのメッセージをお願いします。
曽)今回の依頼を受け、自分自身未経験だったことや知識量の乏しさも踏まえもっと詳しい方が担当した方がよいのでは…とも思いましたが、結果として先方にも満足いただき、自分のレベルアップにも繋がったと思います。
これまでできなかったことができるようになるのはより成長が実感できて楽しいですし、最終的にはやって良かったと思うはずなので、不安ももちろんありますが、まずはなんでもトライしてみてほしいです。
部署名: 仙台営業所
氏 名: 曽根 祥太(そね しょうた)
入社日: 2018年4月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
曽)大学を卒業後、業務用の電話機やLED照明等の業務用機器を主に取り扱う総合商社に約2年半勤めました。今では考えられないような激しい経験を重ね(内容に興味のある方はご連絡ください)、精神力を鍛え上げ退職しました。
もっと興味のある商材を取り扱いたいと考え、これまで経験のないインテリア業界ではありましたが、縁に恵まれマナトレーディングに入社しました。
― いまはどんなお客様を担当されていますか?
曽)住友林業・積水ハウス等のハウスメーカーやマンション販売会、各ショップ等々。仙台をはじめ、秋田・山形・福島エリアを主に担当しています。
お客様について
客先名 | 町田ひろ子アカデミー(仙台サテライト教室) |
事業内容 |
インテリアコーディネーター・ガーデニングプランナーの養成、企業研修 |
販売金額 | — |
商品 |
卒業生に現在マンション・ショップ・フリーのICとして勤めている方が多数 |
お客様について
客先名 |
One Crie 石橋 佐喜子 様 |
事業内容 |
新築・リフォーム・リノベーションのインテリア提案、セミナー開催 |
販売金額 | — |
商品 |
カーテン・クッションのご提案 |
共同者:
仙台営業所:磯部梨野・萩尾朝子(当日サポート)
営業企画部:中尾幸子(勉強会)