
お客様の心に寄り添い提案する
共有ポイント
- 空間をより具体的に想像できるような提案をしよう!
- 相手のお困りごとを見極めて行動に移そう!
発表者
営業1部 藤田 里美(ふじた さとみ)
事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。
第25回目は営業1部の藤田さんにお話を伺いました。イレギュラーな対応を迫られながらも、柔軟に対応することでお客様からの信頼を獲得された藤田さん。ピンチをチャンスと捉える前向きな姿勢が印象的でした。ぜひ最後までご覧ください。
*今回の施工事例はこちら(社外秘)
― 物件の概要についてお聞かせいただけますか?
藤田)(以下、藤)積水ハウス(以下、積水)で施工中のお施主様より、竣工2ヶ月前に「スワッグ&テールをやりたい!」とのご要望があり、積水の正式なカーテン施工店である綜合建装から、プランボードを用いた提案を依頼されました。
この物件には担当営業のみでICは付いていませんでした。また、積水ではクラシックスタイルはほとんど提案されていないため、綜合建装も装飾スタイルの施工に慣れておらず、対応に困っている状況でした。そこでMANASと川島織物セルコン(以下、カワセル)の2社に、プランボードを制作して積水の営業担当者へ提案してほしいと、綜合建装から依頼が入ります。依頼内容を聞いたときは、ICの役割を担うといった、いつもと違う領域のお話に戸惑いもありましたが、この機会を活かし、MANASがスタイルものを得意とすることやVIP案件にも柔軟に対応できることを周知するチャンスだと捉え、前向きに取り組むことにしました。
※通常の商流について
積水ハウス→綜合建装(積水ハウスの正式なカーテン施工店)→MANAS(縫製まで受けて、施工は綜合建装へ)
綜合建装:積水ハウスの施工店としては一番規模が大きい。各カーテンメーカーへ手配し、採寸、施工まで行っている。また半年に1度、カーテンフェアも開催している。
― 納品された商品をお知らせください。
ダイニングルームや吹き抜け部分には、フォンテーヌ9(裏地:ベガ23)とボイル10、ゲストルームにはコローレ210とサブレN1を。ご子息のお部屋にはコローレ312とミナシアー4620、お嬢様のお部屋にはコローレ624とミナシアー5255を納品。マスターベッドルームには、キュイル5(裏地:ベガ22)とシルヴィア2832を納品しました。
お嬢様のお部屋(コローレ624 / ミナシアー5255)
― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか?ご紹介する時には何をお見せしましたか?
藤)綜合建装より、「積水の営業担当者がお施主様とカーテンの打合せを行うので、プランボードを送ってください」と指示を受けました。ただ、スタイルものは不慣れだと聞いていたので、装飾スタイルや提案内容について直接担当の方へご説明しようと思い、ボードやスカーフサンプルをお持ちして伺うことにしました。当日、待ち合わせのため担当者へ連絡したところ、「僕ではなく、お施主様へ直接説明していただけませんか?」とプレゼンを依頼されました。ただ、カワセルとの相見積もりという状況でもあったため、念のため綜合建装に確認し、許可を得た上で担当者と合流。お施主様宅へ伺い、直接プレゼンを行うことになりました。
1回目の打合せでお見せしたプランボードとスタイル図面
*プランボードとスタイル図面の詳細はこちら(社外秘)
―お施主様へのプレゼンでは、どのようなことに気を付けて説明されたのですか?
藤)お施主様はMANASについて何も知らないため、最初に私たちのご紹介からはじめました。また、納期が迫っていたことや、お施主様が中国と日本を行き来される中国人の方で、メールでのやり取りしかできない状況であったことから、在庫品より最適なものを選んで提案しました。
お施主様はご自身が富裕層という自覚があり、良いものを知っていると公言されていました。生地の原産国なども気にされる方だったので、世界のトレンドを意識したコレクションであること、日本のカーテンメーカーの中でも最高級の生地を扱っていることなどをアピールし、お客様のステータスに合った言葉遣いを心がけました。
― お施主様のご自宅で直接紹介できたことで、どのような点が良かったと感じましたか?
藤)プランボードを通じて、お施主様と直接的なコミュニケーションを取れたことが良かった点だと感じます。通常はICの方がお施主様へ説明するためのプランボードを制作するので、お施主様のリアルな反応まで把握することは難しいです。今回はその場でお施主様の表情や言葉から反応を捉うことができ、より効率的にご要望を理解して次の提案に繋げることが出来ました。提案したことへの反応が直ぐに返ってきて、満足いただけるまでやり取りできる環境があったことは、何よりも良かったことだと感じています。
もうひとつは、実際に住まわれているご自宅にお伺いできたことです。綜合建装からの事前情報は、中国のお客様であること、平面図や窓の図面、現在のご自宅に付いているスワッグ&テールの写真という、限られたものでした。お施主様の生活空間を実際に拝見すると求める空間の雰囲気や生地の好みを想像しやすくなります。また6mの吹き抜け窓を下から見上げると、遠近の関係で実際よりも小さく見えることに気づき、装飾バランスのサイズ感を丁寧に調整することも出来ました。
納品後の吹き抜けの様子
*2回目・3回目の打合せでお見せしたプランボードはこちら(社外秘)
― 工夫したポイントについてお聞かせいただけますか?
藤)何よりも、お施主様にはより具体的なイメージ空間を共有することを目指しました。ご自宅での打ち合わせでも詳細にお伝え出来るよう、スタイル図面では人物を配置した図面をお見せしました。その他にも、プランボードやスカーフサンプルを用いたプレゼンを行うことで、よりリアルな空間イメージを共有することが出来たと思います。
そして、そのイメージを具現化するため、秋田さんと一緒に弘和と密な打ち合わせを行いました。ベルクロの付け位置やオスメスの指示、切り欠き加工など、通常の加工指示書では伝わりにくい部分をパーツごとに図面化することで、より正確なイメージを共有出来るようにしました。
MBR(キュイル5(裏地:ベガ22)/ シルヴィア2832)
*お客様用のバランス図面はこちら(社外秘)
*弘和に提出したバランス製作図面はこちら(社外秘)
*要尺検証資料はこちら(社外秘)
― 納品後、お客様との関係に変化はありましたか?または、お客様からいただいた声をお聞かせください。
藤)綜合建装からのプランボードの依頼もかなり増え、これまでのVIP案件はフィスバに依頼していたが、今後はMANASと組んでいきたいとのお声をいただくことが出来ました。この物件を通して、カーテンメーカーという位置づけから脱却し、信頼を獲得できたのではないかと感じています。
― 信頼を勝ち取った一番の理由は何だと思いますか?
藤)積水の営業担当者に安心感を与えられたことだと思います。カーテンという普段担当されない分野の業務に対して、営業の方が困ることを考えて行動しました。きっとお施主様への提案時の説明や質疑応答に不安を感じられるだろうと思ったので、プレゼンボードを持ってすぐに動いたことや、丁寧に説明していく中で営業担当者の不安を解消し、安心感に繋げられたことで、信頼を獲得できたのだと思います。
1Fダイニング(フォンテーヌ9(裏地:ベガ23)/ ボイル10)
― 最後に皆へのメッセージをお願いします。
藤)生地が大好きでMANASへ転職しました。プランやコーディネートを考えているときが、私にとって一番楽しい時間です。そして、お客様のインテリアに対する意識をアップデートし、興味を広げられた瞬間がすごく嬉しく感じます。お客様が理想としているものを汲み取り、いただいた情報を自分の中で落とし込み、そこから提案まで繋げるには手間も苦労も大きいですが、完成してお客様に喜んでいただいたときの達成感は格別です。
この物件では、現場で何かあったときに、施工チームの経験値、技術力、そして対応力の高さを改めて実感しました。自分一人では力不足だったとしても、MANASには、お客様の希望を実現できる提案力や技術を持った方々がたくさんいますので、今後も協力しながらチームで対応していければと思います! 引き続きよろしくお願いいたします!
部署名: 営業1部
氏 名: 藤田 里美(ふじた さとみ)
入社日: 2018年5月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
藤)もともと着物に興味があり、美大でテキスタイル(染織)を勉強しておりました。インテリアファブリックにも興味があったので、大学在学中にインテリアコーディネーターのスクールに通い、不動産グループのインテリアOP会社にコーディネーターとして就職しました。4年間、コーディネーター業務をした後、一番興味があるファブリックの道に進みたいと思い、ご縁をいただき転職しました。
― いまはどんなお客様を担当されていますか?
藤)ハウスメーカー(千葉エリア)、設計事務所、大塚家具様を中心に担当しております。展示場やプランボードなどのご提案で、お客様に寄り添った提案をして喜んでいただけるところにやりがいを感じています。
お客様について
客先名 | 有限会社綜合建装 |
事業内容 |
積水ハウスを中心としたカーテン施工/各種壁紙・クロス及びビニールシート・タイルカーペット等床材全般の内装仕上げ工事 |
販売金額 | 当期 145万円 / 前期 716万円 |
商品 |
・積水ハウスの東京エリアのカーテン施工 |
物件について
物件名 | 積水ハウス東京西支店 個人邸 |
納品年 | 2023年10月 |
商 品 |
スワッグ&テールバランス・ストレートバランス・電動仕様縫製カーテンなど |
売 上 |
341万円 |
共同者:
営業推進部:下平 真緒・小笠原 舞夏(※研修期間中)(生地選定/プラン)
営業推進部:鈴木 希久子(プランボード作成)
営業推進部:内山 南穂(図面作成)
東京営業部 業務担当:荒巻 麻友 (発注)
施工管理部:秋田 真一(採寸・納品同行)
施工管理部:道正 弘行・小笠原 舞夏(※研修期間中)(納品)