今こそ知りたい！ウェーブカーテン講座

事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。第23回目は営業2部の杉本さんに、ウェーブカーテンのお話を伺いました。ミニマルなスタイルの需要が高まる今、注目の内容です！
＊ウェーブカーテンの施工事例はこちら


― 今回、杉本さんには「ウェーブカーテン」の事例についてお話しいただきます。はじめに、物件の引き合いについて教えていただけますか？

杉本）（以下、杉）ウェーブカーテンの引き合いは大半が問い合わせベースです。お客様も詳細を理解している方は少なく、施工のイメージ写真をお見せいただいたら、ウェーブカーテンだったということが多数。特にデザイナーの方は山をつまむ “The カーテン” は野暮ったいと感じ、よりミニマルでマテリアルとして商業空間に映えるスタイルのウェーブカーテンを好まれる方が多い印象です。

今回の物件も、negu inc.からの問い合わせは「銀座の美容院の壁面をカーテンで覆いたいものの、つまむのは好みではない。でもきれいなヒダ感を出したい」というもの。それであれば、ウェーブカーテンが最適だとご紹介しました。


Nora 銀座施工写真（キュイル2）


― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか？ご紹介する時には何をお見せしましたか？

杉）ショールームにご来場いただき、イメージに合う落ち感の生地を探しました。納品したキュイルをはじめ、クシーなどもお見せしました。


― ウェーブカーテンの製作、納めにおけるポイントを教えてください。

杉）ウェーブカーテンはアジャストできない上、寸法によって規格が決まっているため、採寸は丁寧に行いましょう。基本的にレースで行うスタイルであり、ドレープでは上手くいくケースは少ないと思っておいた方が良いです。イメージパースなどを見た時にできないシチュエーションは、その旨を正直に伝えています。
そして、お客様がどこまでのウェーブをイメージしているのか、しっかりとすり合わせをすることが大事。また、実際の施工写真を見せて出来上がりのクオリティを相手と共有することが必要だと思います。その他、押さえておくべき点は下記の通りです。


★生地の適正
持ったときに裾が広がらず、ストンと落ちる生地であれば大丈夫です。オススメはシアーなら「アトモス、ジョーゼット、ソンブラ、ラグーナ」。ドレープなら「クシー、リデリス、ムーン」の他、ニット系なら問題なく納まると思います。

形態安定加工をかけるとヒダ畳みで梱包され、現地でアイロン掛けが必要になるため、あまりオススメはしません。ただ、ドレープは形態安定加工をかけたほうが、きれいにウェーブがでると思います。また、発送の際は梱包のオプションでエアパッキンを入れることが出来るので、私はいつもそれを使用しています。


★ヒダ倍率



★芯地

ウェーブテープⅡがオススメ。ただ、アジャストは出来ないので注意が必要です。ちなみに、フラット芯地でウェーブを作ることも可能。フラット芯地だとアジャストが可能になりますが、画像のように芯地部分に傾きが生じます。
ちなみに、マナ縫製の「GTウェーブカーテン」はギャザーテープの芯地を使用したもので、製作寸法によってヒダ数が決まっているものになります。

★レール・部材
現場のカーブ箇所や長さを確認し、最適なレールとランナーなどの部材をTOSOかSilentGliss（以下、SG）から選定。倍率やカン上の間隔、価格などを見て、どちらを使用するかを決定します。SGはカスタムの自由度が高いのでデザイナーの好みに対応しやすい。ちなみに電動でウェーブスタイルを納める場合は、かなり溜まりが大きくなってしまうのでオススメはしません。


― 工夫したポイントについてお聞かせいただけますか？

杉）W22,000の大きなウェーブカーテンだったのですが、途中で段差がある上に2つの開口部を設ける必要があったため、採寸時は注意しました。加工書を書くときは何個目のフックが開口部になるかを緻密に計算しました。


加工指示書　＊PDFはこちら

― 納品後、お客様との関係に変化はありましたか？または、お客様からいただいた声をお聞かせください。

杉）設計の方にはキュイルでウェーブスタイルにした際、両端の裾部分がどうしても広がってしまうところで指摘を受けました。裾の広がりは縫製で解決できるものではないとお伝えし、内装側で対応いただくことで解決しました。その後もカーテンのご依頼があり、キュイルとマックの無双ウェーブスタイルカーテンもご発注いただくなど、継続してカーテンのご相談をいただいております。





―皆へのメッセージをお願いします。

杉）ウェーブスタイルは最近非常にデザイナーの方からの需要が高く、問い合わせも増えています。ただ、状況によっては不可能なケースや、向いていないケースもあるスタイルです。適性を理解して、お客様からの期待に応えていきましょう。いろいろな状況でのウェーブスタイルを経験しておりますので、何かあればご相談ください。

 物件について