ライフスタイルに寄り添う空間づくり

事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。

第20回目は営業2部の田頭さんにお話を伺いました。カーテンの提案から施工まで、一貫して担当するという貴重な経験をされた田頭さん。山邉さんの経験を参考に、自分なりに対応方法を見出して実行し、大成功を収められました。ぜひ最後までご覧ください。

― 物件の概要についてお聞かせいただけますか？

田頭）（以下、田）インテリアプロデュースを行っている株式会社イオタ（以下、イオタ）より、軽井沢の新築マンション物件にて、カーテンの提案から施工までを一貫してお願いしたいというご依頼を受けました。2021年に前任の山邉さんが担当したグランフォレストコート旧軽井沢の工事実績が評価され、今回もMANASの1社だけにご相談をいただきました。今回の物件では、グランフォレストコート旧軽井沢の受注率50%以上、売上1500万円以上を超えられるよう、イオタと具体的な目標を設定して取り組み、最終的に受注率は77%（オプション相談会には30戸のお施主様がご来場し、そのうち受注が決まったのが23戸）、売上は1950万円という結果を出すことができました。

― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか？

田）イオタとは引き渡しの1年前から打ち合わせをスタートさせ、全ての部屋の採寸を行いました。その後、オプション相談会を開催。お施主様は軽井沢在住の方と首都圏在住の方がいらっしゃるため、現地の軽井沢と東京ショールームの2拠点で計2回ずつ開催しました。山邉さんをはじめ、杉本（隆）さん、松ケ下さん、加藤さん（水野さんお知り合いのコーディネーター）にもお手伝いいただき、お施主様計43組を1組ずつ対応しました。

― 軽井沢でのオプション相談会ではどんな準備をされたのでしょうか。

田）イオタでデザインプロデュースを行っている離山サロンの1室をご用意いただき、1日4枠の予約枠を設けて、山邉さんと交互に接客対応しました。マンション販売会チームのセットを基に、Trevira CSやMANAS-TEX、SATELLITEの防炎生地、タッセルなどを選定。現調に行った際にモダンな印象を受けたため、防炎品の中でもテクスチャー感のある無地系に絞りました。特に、アトモスやアマレッティが人気でしたね。

オプション相談会を開催した離山サロン

― 軽井沢とショールームでのオプション相談会の開催では、何か違いはありましたか。

田）軽井沢で開催するよりも、商材が多いショールームのほうが客単価を上げやすいと感じました。そのため、できるだけRUBELLI など高額の商品からご紹介するようにしました。ただ、設計の方からはお施主様の情報を事前に共有していただいていたので、お施主様それぞれのご予算に合わせた提案を心掛けました。ショールームでの受注金額は、1件あたり平均して約50万～100万円が多く、最高で200万円以上の受注をいただくことができました。

プランシート

― 工夫したポイントについてお聞かせいただけますか？

田）すべてのお客様が同時進行かつ長期スケジュールでの打合せのため、イオタと密なコミュニケーションをとることを意識しました。プランシート、見積内容、進捗状況を把握するための資料を作成し、1組ごとに情報を更新したら共有するなど、お互いに漏れがないように進めました。窓廻り以外のインテリアも取りまとめているイオタにとって、進捗状況が可視化された資料があるのはメリットだと思います。

＊イオタとの共有資料はこちら（※社外秘となります）

もうひとつは、工事の段取りを工夫したことです。前回の納品の際は、複数のお部屋をまとめて施工することができなかったため、何度も軽井沢へ足を運んでいました。今回は、イオタと発注リミットをあらかじめ決めることで、引き渡し後にまとめて施工できるように調整し、1週間ですべての部屋に納めることができました。

具体的には1日あたり4～5室、2組（2名体制）に分かれて対応。電動ロールスクリーンなど施工に時間のかかる部屋を行う日は、1日の件数を減らすなど、調整をしながら予定を組みました。また物量も多いため、一度に届けるのではなく、佐川急便の店止めを利用して、施工日の前日や当日の朝に受け取りに行くという段取りをしました。

部屋の様子

― お客様に採用いただいたポイントや琴線に触れた部分は何だと思いますか。

田）お施主様へ部屋の環境に合わせた提案ができたことだと思います。オプション相談会の前に現調に行っていたので、〇号室ならあの空間だなと想像しながら、懸念点も含めてお伝えしました。例えば、ご高齢の方が住まわれる部屋の場合、天高のある窓では重い生地を選ばれるとカーテンの開閉が大変なため電動カーテンをご案内したり、道路やマンションの中庭からの視線が気になる部屋には、透け感を抑えたシアーを提案したりと、その空間ごとの見え方まで配慮した提案をすることができました。

敷地内の様子

― 今回の経験を通して、次回改善したいことはありますか。

オプション相談会の効率の悪さを改善したいです。正直、1件ずつ対応するのは時間も体力もかなり消費しました。次の物件では、イオタからいただいた内装のスタイル（ナチュラル・モダン・シック）に合わせて、プランシートを制作しています。最初に3つのスタイルの中からお施主様の趣向を探り、方向性を決める。そこからクッションなど小物類を変えて微調整を加えれば、ほぼ完成系に近づける。パッケージ化することで効率的に打合せを進められるよう準備しています。

イオタから事前に共有されているカラースキーム

― 納品後、お客様との関係に変化はありましたか？または、お客様からいただいた声をお聞かせください。

田）イオタの方とお会いすると今でもこの案件の話をします。辛く、ハードな時もありましたが、終わった時にイオタからは「よくやったね。」とお褒めの言葉をいただきました。今年はグランザグローバル軽井沢のお施主様の都内自宅のリフォーム案件を、2026年には上記に記載した軽井沢マンション物件のご相談を受けています。山邉さんが築き上げくださったイオタとの関係を崩すことなく、そのまま信頼を獲得することができて良かったです。

― 皆へのメッセージをお願いします。

1組ずつ接客をさせていただいて、お客様の生活や好みが見えました。1階のお部屋で、LDの大きな窓に分割してロールスクリーンを取り付けたのですが、分割した隙間から光漏れが生じ、歩行者の視線も気になるとご相談を受けました。その隙間を埋めるべくカーテンをご提案しましたが、お客様はスタイリッシュな空間を求めていたため、代案としてバーチカルブラインドをご紹介。このように、お客様一人ひとりのニーズに触れ、生活スタイルに合わせてよりパーソナルなデザインの提案が必要であると、改めて感じることができました。

 物件について