恐れるな!特注案件獲得から成功までのステップ
共有ポイント
- 特注で出来るMANASの強み(素材・色・製法・納期・バリエーション)を理解しよう!
- 懸念点を把握したサンプルを製作しよう!
発表者
営業2部 山本 勇介(やまもと ゆうすけ)
事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。
第18回目は営業2部の山本勇介さんにお話を伺いました。特注ラグの先駆者として、たくさんのご経験をされた勇介さん。ラグメーカーの技術力だけではなく、特注の完成形をしっかりと想像出来たことが成功への道だと言えそう。ぜひ最後までご覧ください。
― 普段、どのようにして物件情報を得ているのでしょうか?
山本勇介)(以下、勇)デザイナーは複数の物件を同時に進めていることが多いため、生地の提案だけでは終わらせずに、他の物件情報も必ず聞き出すようにしています。そのため、顔見知りのデザイナーを見かけるたびに声をかけて、物件の状況を伺います。情報を得ることが出来たら、その場で条件を詳しく聞いてMANAS商材で対応できるか検討。提案出来そうであればその場ですぐ次のアポを取る…これが僕の営業スタイルです。
― 今回ご紹介いただく物件は、どのようにして情報を掴んだのですか?
勇)前々職からの付き合いである株式会社ドラフト(以下、ドラフト)は、建築家兼デザイナーである社長が自らデザイン描き起こすデザイン会社です。今回はOCA TOKYOに初めてオリジナルラグを納めたお礼に加えて、実際にCarpet Makerのサンプルを見せながら、オリジナルのラグ仕様や素材などを社長にご紹介。すると、「面白い物件があるので今度声を掛けるよ」と言われ、数か月後に特注ラグの依頼を受けることになりました。
― 具体的にはどのようなプロセスで進んでいったのでしょうか?
勇)具体的な流れは以下の通りとなります。
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①デザイナーがデザインしたラグのイメージに近いMANAS取り扱いのラグサンプルの共有
(どんな表情を求めているのかを確認するために、共有していただいたイメージに近い表情の異なるものを集めてお見せしました)
②具体的なラグのデザインデータの共有を受けて、梵天サンプルを使った色味の共有
③試作サンプルを複数枚製作
④試作を元に本製作用デザイン指示書の共有
⑤デザイン仕様書を元に本製作の実施
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デザイナーのイメージに近いMANAS取り扱いラグサンプル
左:WIND(Madison) 右:MANAS RUG COLLECTION(Terra)
WIND(Madison)を参考に製作したサンプル
勇)梵天サンプルをお見せする際は、梵天サンプルをきゅっとまとめてお見せするのがポイントです。似た色を比較する場合、きゅっとまとめた梵天サンプルを横から見ていただくと、色の違いが分かりやすく出てくれます。梵天サンプルは上の部分がカットパイルの色味、下の部分がループパイルの色味だと言われています。
梵天サンプル
ラグは組成や毛足の長さ、打ち込みによって色の出方が全く異なります。そのため、打ち込みの部分をお見せするために、50センチ角のサンプルを製作していただき、お客様に最終的な判断を委ねるようにしました。ただ今回の物件はとにかく時間がなく、サンプル製作が一度しか出来なかったため、お客様の声をしっかりとヒアリングし、懸念点を解消するためのサンプル製作を行いました。
― 今回の懸念点はどのように解消されたのでしょうか?
勇)今回は「表現したいデザインをどこまで忠実に再現できるか」と「グラフィックがラグに起こされた際の仕上がりの許容範囲をお客様と確認すること」が重要でした。そこでお客様のイメージに近いものを探るべく、山上さんと相談してサンプルを製作しました。
例えば、ピンクとグレーの混色のラグは色の比率を変えたものを3種類つくり、どの割合が良いかを選んでもらえるようにしました。また、グラデーションのラグはグラデーションの配色を10色ほど作り、どの位置で使うのかを指定しやすいようにしました。ハンドタフトでのグラデーションの出し方は2パターンあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。これらのサンプル製作を踏まえ、お客様が一番表現したいイメージに近いものを一緒に確認し、最適な製法を提案しながら打合せを行いました。
グラデーションラグのサンプル(糸色を混合させて糸の濃度を変えている)
― お客様に採用いただいたポイントや琴線に触れた部分は何でしょうか?
勇)ドラフトの組織体制を十分に理解できていたことが、今回の採用に繋がったと思います。ドラフトは、代表デザイナー(社長)がデザインを作り出し、実担当デザイナーがそれを具現化するという体制を取られています。この組織体制を把握した上で、フル特注ラグが製作できることを代表デザイナーに直接お伝えできた点、そして、スケジュール管理や代表デザイナーへの提案環境づくりなど実担当デザイナーをサポートすることで円滑に進められた点が、今回の成功に繋がったと感じています。
スケジュールコントロールの資料はこちら(※社外秘となります)
グラデーションのラグ
グラデーションのラグ
― 特注案件を獲得するためには、どのような行動や姿勢が大切でしょうか?
勇)僕は、常に「できますよ!」とお伝えするようにしています。特注は完成形も見えませんし、納めの想像もしづらいため、リスクが伴うことも事実です。ただ、Carpet Makerのサンプルを見ると「このデザインが作れるのであれば、きっとこの表現も実現可能だろう」と想像力が働きます。無謀に思えるかもしれませんが、Carpet Makerの技術力を信頼し、実現可能なイメージを膨らませれば、特注ラグは作れると確信してお伝えできます。
今はふたつの工場と取引があることで、ひとつのNEEDSに対してより良い選択肢(SEEDS)を提案できるようになりました。そして、デザインに合わせた製造方法や細やかなディテールの実現に向けたノウハウもあります。まずはふたつのサプライヤー「Carpet Maker」と「海馬」が得意とすることは何かを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。これらのMANASの強みを十分に理解すると、特注ラグを提案する恐怖心は解消されていくと思います。
WIND(Madison)を参考に制作したラグ
― 皆へのメッセージをお願いします。
勇)特注と聞くと難しく感じる方が多いかと思います。しかし、日々皆さんがお客様から発注を請け負っているカーテンもサイズオーダーですし、スワッグ&テールの取付工事の方がよっぽど難しいと思います。提案する市場も限られていますが、MANASでのキャリアが長い社員、浅い社員に関係なく、積極的に営業先へアピールしてみてはいかがでしょうか。協力する社内スタッフや仕入れ先様がいるので、担当者個人で完結する必要はないと思います。支店や部署の垣根を越えて、いろいろな人を巻き込んでチャレンジしてほしいです。相談できることがあればお知らせください。
部署名: 営業2部
氏 名: 山本 勇介(やまもと ゆうすけ))
入社日: 2018年6月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
勇)もともとモノづくりに興味があり、デザイナーと共闘し一つの空間を作りあげることができるメーカー的な会社を探していました。前前前職時代からカーテンをホテルに納める仕事についていたので、基本的なカーテン知識はあり、次の職場で設計事務所のパイプ作り、2社での経験が生かせ、かつ他社と戦うことができるブランド力と、分業制というところが自分に合いそうで応募しご縁がありました。入社当時は女性が非常に多く活躍されており、その中で業務を行うことが一番の心配ごとでした・・・(笑)
― いまはどんなお客様を担当されていますか?
勇)99%以上コントラクトを主軸にしているインテリア設計事務所に対し、目指してる空間に対しての、チームマナとしてフォローできる商材の提案営業。
お客様について
客先名 | 株式会社ドラフト |
事業内容 | インテリアデザイン及び内装施工他 |
販売金額 | 当期 800万円 / 前期 4,000万円 |
商品 |
2020年 Wプロジェクト カーテン工事 |
物件について *施工事例はこちら
物件名 | 六本木グランドタワー EXSIA新オフィス |
納品年 | 2021年11月 |
商 品 |
特注ラグ別紙仕様書はこちら |
売 上 |
750万円 |
共同者:
営業企画部:山上 紘子