
私が大切にしていること
共有ポイント
- 価格のバランスを考えた提案をしよう!
- 値段の理由を知ることから始めよう!
発表者
名古屋営業所 田邉 由紀(たなべ ゆき)
第11回目は名古屋営業所の田邉さんにお話を伺いました。美しい空間を提供するために田邉さんはどのような提案をしているのか。インテリア業界で長年働いて培われたポイントと、日々の中でどのようなことを気にかけていらっしゃるのかお話しいただきました。
― 普段どのようなお客様を担当されていますか?
田邉)(以下、田)その時々の案件に応じて動いていくような感じです。カーテン・家具ショップ、設計事務所、ハウスメーカーのインテリアコーディネーター(以下、IC)も一般的な案件からVIP案件まで、幅広く担当しています。今回、三神さんからベスプラに推薦していただいたファインタワー久屋大通はVIP案件。お客様であるIC(Boite de bijou)の方が初めてVIP案件を担当された当初から、提案のサポートをさせていただいています。
*施工事例は【こちら】
図面と納品一覧(PDFはこちら) ※社外秘になります
― お客様とはどのように関係性を築き上げているのですか?
田)とにかく仲良くなることですね。会話をたくさんして相手からプライベートの事も話してもらえるような関係性まで詰める。初めて会う人との会話ってやっぱり緊張するじゃないですか。そんなときはひと笑い取りにいくことをひとつのゴールにしているくらいです。
それくらい密な関係性になるために、打ち合わせはなるべくショールーム(以下、SR)にお越しいただくようにしています。お客様からも「MANASに行くと帰る時間は読めない」と言われるくらい会話をしているみたいです。(笑)そうした深い関係を目指して、小さなご相談でもお声がけしていただけるように心がけています。
― 打ち合わせや提案の時に意識していることはありますか?
田)内装とグレードを合わせることは常に意識しています。打ち合わせの時にどんな内装なのか、何の家具を置くのかをヒアリングして部屋全体の価格バランスを捉えた提案を考える。MANASから提案するものが部屋に置かれているものと釣り合っていないなんてこと、あってはいけないと思うから。もちろん最終的にはお施主様のご予算やインテリアに対する興味に左右される部分はありますが。
やっぱり一番初めの提案ってすごく大事だと思うんです。お客様としてはどんなものが出てくるのか楽しみにしている中、想像よりも安っぽいものが出てきたらがっかりされますよね。予算が提示されている場合は別ですが、そうでなければ美しい空間に仕上げるための提案をするべきだと思います。MANASとして、初めの提案でそこがずれてしまうのは避けたいところですよね。
― なぜグレードを合わせることが大事だと感じたのですか?
田)総工費や家具の予算に対して窓回りの予算が釣り合っていないICが多いんですよね。それって美しい空間を創り上げるには好ましくないじゃないですか。だから打ち合わせでは総工費を伺うようにしています。
これは私の経験上の話ですが、総工費が5000万円を超える場合、総工費に対して窓回りは最低でも3~5%、照明は3%、家具は10%程度のバランス感。初めはこれくらいの価格でご提案して、その後の打ち合わせで調整をしていく流れがベストだと思います。トータルの金額が高かったとしてもそれを落としていくのは簡単だから、予算が提示されていない場合はまず全体の価格バランスに見合ったものをお施主様へ提案することが必要。
特に、VIP案件のお施主様は普段訪れる場所や見ているもののグレードが高いので、インテリアへの興味は関係なくものの好し悪しを判断出来る方が多いです。そのようなお施主様はやはり良いものを求めているのであって、想像よりもグレードの低いものが出てきたらこの人に相談しても良いものは提案してもらえないと思われる可能性もあります。
― 最初から高額商品をお見せするのを怯んでしまう方もいませんか?
田)そうですね。だから予算感を掴めていないICと打ち合わせする時には、総工費に対する価格バランスを理解してもらうことが大事。「後から調整はいくらでも出来るから、まずは空間に見合う良いものを提案してお施主様に見ていただかないとダメです!」と伝えます。大きな金額の提案に怯んでしまうICの方には、お施主様との打ち合わせに私が同席していつでもサポート出来ることを伝え、MANASのSRへご来場していただくようにしています。
例えばICの方が言葉に詰まっていたら、「内装もすごく素敵だし、良いものを分かってくれる方だと思って提案を練っていたらこんなになってしまいましたが、お客様にはぜひ見ていただきたくて…」と、お施主様へ私からご説明し横からサポートをしています。
Queensilk施工例 ※その他施工事例は【こちら】
― まずは良いものを見ていただくことが大事とのことですが、田邉さんにとって“良いもの”とはなんでしょうか。
田)“良いもの”=完成するまでの過程にこだわりと手間がかけられているものだと思います。
洋服であれば同じコットンでも着心地が異なる。そして糸の産地や細さ、材料の選定など完成に至るまでのこだわり方と手間が違いますよね。今はどんな情報でもネットで手に入ってしまいますが、この業界にいる以上、実際のモノに触れていくことが“良いもの”を正しく知る鍵になるはずです。
― “良いもの”を理解するためには何から始めたらいいでしょうか。
田)同じ素材のものを比較するところから始めるのが良いと思います。例えば高い麻と安い麻を同時に触れてみると、素材は同じなのに触ったときの固さや見た目は違う。次に何がこんなに違うのかを考え、調べてみる。これを繰り返していけば買い物をしている時やMANASの商材に触れた時、なんでこの値段なのだろう?と常に価格の理由を考える癖がついて、自然と手や目も肥えてくると思います。何事もすぐに習得することは難しいですから、習慣化して”良いもの”を理解していくことが大切ではないですかね。
―皆へのメッセージをお願いします。
田)この業界で長く一生懸命お仕事してきてよかったなと最近よく思います。知っている人は増え、お客様を紹介してくれたり、何かあれば相談して力になってくれたり、昔お仕事した懐かしい人にまた会えたり…。
若い時は当然失敗もして、たくさん叱られましたけど…。そんな昔からの経験があっての人との繋がりだったり、自分の自信に繋がっていたりします。人との出会いとひとつひとつのお仕事を大切に。気がつくと働く場所や立場は違っても素敵な人たちに囲まれて気持ちも楽になっていると思います。なので、若い頃は、たくさん苦労してください(笑)
あとインテリアのお仕事をするなら、やはり機会があればヨーロッパを訪れて肌で感じてくるといいと思いますよ。

部署名:名古屋営業所
氏 名:田邉 由紀(たなべ ゆき)
入社日:2007年4月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
田)前職はyamagiwa でICをしておりました。VIPの方も多く、提案も照明器具ひとつから家中のリフォームやインテリア全般に家電やホームシアターまで多岐に渡り楽しかったですが、年齢や待遇を考えるとあまりのハードさにずっとは続けられないと思い始めていました。
そんな時にMANASが名古屋営業所を設立して営業を探しているみたい、と施工店の社長が薦めてくれました。ファブリックが好きでしたし、以前から知っている藤田さんがショールーム担当と聞いたので説明を聞かせていただきました。
名古屋営業所ができる前、MANASの代理店をしていたところがひどかったので、正直あまりいい印象は持っていませんでしたが、いい生地をたくさん扱っているのは知っていましたし、洋平さんと話したらとてもいい人だったので仲間に入れていただきました。
― いまはどんなお客様を担当されていますか?
特に固定はなく、幅広く担当しています。百貨店、家具メーカー、家具やカーテンのショップ、ハウスメーカー、設計事務所、デザイン事務所、一見さんの問合せなど来るものはなんでも。その時の案件に応じて臨機応変に動いているという感じです。
お客様について
客先名 | Boite de bijou |
事業内容 | 住宅・マンション・店舗の設計・デザイン |
販売金額 | 当期 880万円/前期 80万円 |
商品 |
2015 ザ・パークハウス久屋大通2305 判治様 クロス・ラグ・カーテン 2924千円 |
物件について ※施工事例は【こちら】
物件名 | ファインタワー久屋大通2401 |
納品年 | 2023年7月~2024年2月 |
商 品 |
クロス・ラグ(敷き詰め)・カーテン |
売 上 | 880万円 |