どんなボールも打ち返す！刺繍からつかんだ信頼

事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。

第6回目は「刺繍」の事例について、営業2部の田頭さんにお話を伺いました。MANASでは取扱いのないものでも、さまざまな方法でお客様の要望を叶えられます。このストーリーを機に、ご自身の提案の引き出しを広げてみませんか。

― 今回、田頭さんには刺繍の事例をご紹介いただきます。最初に物件の概要についてお聞かせいただけますか？

田頭）（以下、田）はい。「株式会社サルインターナショナル」のご依頼で、「年に一度のVIP顧客向けのイベント用として、ハリーウィンストンの刺繍が入ったクッションをつくりたい」とご相談を受けました。お客様は過去に刺繍クッションを製作されたことはなく、納品まで2カ月を切っているスケジュール。私自身も刺繍のご相談を受けるのが初めてでした。同じ部署の杉本（隆）さんが「北海道 界ポロト」の案件にて刺繍クッションの実績があることを思い出し、原反刺繍ができる小林株式会社（以下、小林）をご紹介していただきました。

― 納品された商品をお知らせください。

田）クッションを計40個納品しました。表側にはHW（ハリーウィンストンのロゴ）と刺繍がされています。

生地：Sanderson / Dorton 237031（中材フェザー）

― 具体的にはどのようなプロセスを踏まれましたか？ご紹介する時には何をお見せしましたか？

田）最初に小林で刺繍が出来る生地や刺繍糸の種類について確認を取りました。基本的にはどんな生地でも刺繍可能ですが、毛足の長い生地は向かないとご教示いただきました。理由は刺繍部分に毛足が被り、へこんでいるように見えてしまうためです。ただ、多少の毛足であれば刺繍可能とのことで、今回は「Sanderson / Dorton（ベルベット）」を使用しました。刺繍糸はハリーウィンストンのブランドイメージにも合う光沢糸を選びました。

※ストレッチ性のある生地は刺繍時に生地を押さえつける必要があるため刺繍に向かない。依頼時には指定の生地に刺繍が出来るか事前に確認が必要。


田）次に、小林から刺繍の実績写真や貸出用の刺繍サンプルを提供いただきました。その二つを材料として、刺繍でどんなことが出来るのかをお客様へご紹介し、サンプルを3回ほど製作した後に本製作へ移ります。お客様と私と小林の中で刺繍の仕上がりイメージに相違が無いよう意識して進めました。

小林からいただいた刺繍サンプル画像

― 工夫したポイントについてお聞かせいただけますか？

田）短い時間の中で、お客様が求めているイメージを突き詰められたことですね。納期が2カ月とない中で満足のいくものを製作するために、ハリーウィンストンの関係者にも糸の色、密度、太さ、大きさについて細かいところまでご確認いただき、改善点を刷り合わせながら進めました。そのポイントを小林と確実に共有するために、サンプルの画像に修正したい部分を分かりやすく明記したり、直接お会いしてイメージを伝えたりと、工夫したことが本製作までスムーズに進んだ理由のひとつだと感じています。

改善点を明記したサンプル画像

田）また、生地巾に対してどの間隔で刺繍を入れるか、細かく指示をする必要がありました。反に刺繍をしたあと縫製する流れのため、ロゴの間を何センチとるのか、また縫い代は何センチなのかなど、詳細に小林へ説明しました。

指示書イメージ

― 小林でサンプルを製作してから本製作までの流れを教えていただけますか？

田）価格や納期は下記の通りです。

＜今回の刺繍見積り金額（ベルベット刺繍の場合）＞
・刺繍データ代　¥60,000/点
・刺繍代　¥2,400/m + 見本反代　¥25,000/点
※デザイン・素材によって見積金額は変動します

＜サンプル製作期間：約3週間＞
お客様からロゴイメージ（pdfデータ）をいただく→小林で刺繍データに変換（約1週間）→サンプル製作（約2週間）

＜本製作期間：約1か月弱＞
小林へ反納品→本製作（1～2週間）→細川へ反の刺繍生地入れ、クッション製作（約1週間）→現場直送（約2～3日）
※今回は納期が急ぎのため、製作期間は参考としてください

＜仕様＞
・最小ロット数量：13.7m　
　※13.7m以下の場合には生地を余分に取る必要があります
・糸の組成　　　：ポリエステル・コットン・レーヨン

刺繍糸のサンプル

― 初めて刺繍クッションを納品されて、何か変化はありましたか？

田）自身の提案の引き出しが増えたと感じています。先日、別のお客様の案件で「モロッカン模様のカーテンを探している」とご相談を受けました。ただ、お客様がイメージされているモロッカン模様はMANASにはない。そこで、刺繍で表現するのはどうかと提案しました。刺繍であれば一からデザインするため、お客様が求めているイメージを具現化出来ます。MANASでは取扱いのない場合でも、刺繍をはじめさまざまな方法でお客様の要望を叶えることが出来ることを強みとして、提案の幅を広げています。

― 納品後、お客様との関係に変化はありましたか？または、お客様からいただいた声をお聞かせください。

田）お客様を引き継いでからあまりコンタクトを取れていなかったのですが、今回の物件を機に密な打ち合わせを重ねる中で、関係値を築くことが出来ました。ハリーウィンストンの今後のイベント･新店舗が発生した場合には相談させてくださいと言っていただけました。また、納品前の大事な時期に私がインフルエンザにかかってしまったのですが、体調を気遣ってくださったことも嬉しかったです。

― 皆様へメッセージをお願いします。

田）営業2部ではイレギュラーな案件が多いですが、それを数多く経験されてきた先輩方の知識・実績があれば出来ない仕事はないと思います。これは2部の強みでもあると感じているので、もし協力出来ることがありましたら営業2部（私含め）までご連絡ください。

部署名：営業2部
氏　名：田頭 一穂（たがしら かずほ）
入社日：2019年4月

― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか？

大学時代はインテリア業界とは無縁で、金融や経営の勉強をしておりました。自分の中でも父親の影響で銀行員などになるのかなと思いながら就職活動を続けていたのですが、そこに魅力を感じることがなく途中で業界を変えて、たまたま「マナトレーディング新卒１期生」の募集を拝見し説明会に参加させていただきました。説明会の参加者のほとんどが女性で来るところを間違えたと思いましたが、終了後に洋平さんから男性も活躍されていることをご説明いただき、ここで働いてみたいと感じました。
最終面接は目黒川沿いのカフェでラテアートを飲みながら、かなりラフな状況で面接していただきました。（会議室が空いていませんでした。）
入社してからの働き方や、自分のやってきたことがどのように活かせていけるかなどの説明を聞いて、魅力を感じ、入社させていただきました。

― いまはどんなお客様を担当されていますか？

設計事務所･デザイン事務所を主に担当しております。
住宅･店舗･ホテルなどさまざまです。1年目に装工室に配属された経験を活かして、工事の納めまでを提案しております。