
トータルライトコントロールのすゝめ
発表者共有ポイント
- トータルライトコントロールを心から理解する!
- パートナー企業を深く知る!
営業2部 山邉 貴士(やまべ たかし)
事例を通してノウハウの共有と営業プロセスの可視化を目指す「ベストプラクティス」。
第2回目は「トータルライトコントロール」の事例について、営業2部の山邉さんにお話を伺いました。どうして山邉さんがご紹介されるとルートロンは決まるのか。それはトータルライトコントロールへの深い理解が鍵でした。あなたもルートロンマスターに近づけるストーリーをお届けします。
― 今回、山邉さんには進行中のルートロン事例をご紹介いただきます。最初に物件の概要についてお聞かせいただけますか?
山邉)(以下、山)代官山のプライベートギャラリー空間で、MANASホームページからの問い合わせで始まりました。アメリカのアーティスト “ジェームズ・タレル(金沢21世紀美術館 ブルー・プラネット・スカイなど)” による球体の照明アートを鑑賞するギャラリー空間の依頼です。
アメリカのデザイナーが空間設計をされていて、ルートロンの電動ロールスクリーンが決まっているそう。相談内容に調光の話は含まれていなかったのですが、パースを見せてもらうと実現したいのは照明アートを鑑賞して楽しむ空間。
それならば照明アートともマッチさせた空間の調光制御は絶対必要ですよねと提案し、「ルートロンアスカ(以下、アスカ)」をご紹介して再度打合せを行いました。すると叶えたい空間イメージに”調光”はまさに欠かせない要素だと判明し、調光システムも含めた案件として進めることになりました。
プライベートギャラリーのパースイメージ①(※社外秘情報です)
山)またアメリカで図面を書かれているため、日本の建物で使用できる照明器具へ置き換えなくてはなりません。照明器具や照明デザイナーはまだ選ばれていなかったので、今回のような光にこだわった空間を実現できるのは「モデュレックス」ですと、私から紹介をさせていただきました。
モデュレックスは照明器具の販売だけではなくて、「ライティング」を重視されています。光は建築の造形や空間の質感、人の心理などに大きな影響を及ぼす。「そこに光がどのように在るべきか」という点を配慮して提案されている会社です。担当の海野さんにお声がけしたところ、タレルの照明ならぜひやらせてくださいと二つ返事で引き受けてくれました。そして、この空間実現に向けてアスカ、モデュレックス、MANASの3社1チームで進めていく事となりました。
プライベートギャラリーのパースイメージ②
※社外秘情報(2024年6月納品予定/ロールスクリーン2台/売上見込1200千円)
― 3社1チームで進める理由は何でしょうか?
山)これはMANASだから出来るチーム体制なんです。MANASからアスカに案件を紹介する。次に空間で使用する照明器具の提案先として、モデュレックスに繋げていく。私たちを軸として三位一体となり進んでいくので、1社でも途中で変えることが出来ない。何故ならひとつ変えようとすると、何かしら連動しない部分が出てくるので。そうすると決定率は高いまま、良い形で営業活動を進めていくことが出来るのです。
パートナー企業の関係図(PDFはこちら)
― 山邉さんはお客様のご要望の本質を捉えてご提案をされた。それが決定率を上げるのでしょうか?
山)決定率を上げるには、話をする順番が大切です。例えばウィンドウトリートメントの依頼が最初に来た時に、ルートロンという電動シェードを扱っています!という返事では中々決定率は上がりません。理由はシンプルで電動ローマンシェードとしては高価なものだから。物の比較になってしまうと難しい。それでもルートロンが選ばれるのは理由があります。
― ルートロンが選ばれるポイントをお聞かせいただけますか?
山)ひとつは、トータルライトコントロールを心から理解して話すことだと思います。「トータルライトコントロール」とは、室内に採り入れる太陽光のコントロールも含めた、総合的な光のマネージメントのこと。一日を通して心地よい光のシーンに彩られる暮らしは、皆が望むものです。空間の質感を変化させ、シーンをつくる光は、暮らしには欠かせない要素なのです。その調光システムと電動レールをシームレスに繋げるのがルートロン。
そこの捉え方がとても大切で、私たちは決して電動カーテンやロールスクリーンを買って欲しいわけではありません。リビングをどんなインテリア空間にして、家族や大切な人との時間をどんな光のシーンで過ごすか。安心感や幸福感など感覚的とも言える空気をつくるのがトータルライトコントロールであり、それにはルートロンの調光システムが絶対に必要なのです。
山)もうひとつ大切なのは、パートナー企業を深く知ることです。先ほどご紹介した「モデュレックス」など協力者の立ち位置を理解する。そうするとひとつの物件をチームで形にしていくイメージがしやすくなりますし、自分が提案する際にどんな言葉選びをしたら良いかも考えられるようになると思います。
― 具体的にはどのような言葉でお客様へ提案されていますか?
山)私はご紹介時に「ルートロンはウィンドウトリートメントの形をした調光システムであり、私たちが扱っているインテリアマテリアルの魅力を最大化してくれるもの。」と、よく表現しています。
カーテンや椅子張り、ラグなどのトータルコーディネートが美しいインテリア空間をつくり、それらを包括した光が空間の表情をつくる。光の色や強さによってマテリアルの見え方も全く変わります。綺麗なジャガードのカーテンがあるリビングなら、そのシーン設定を変えるだけでよりドラマチックに魅せることも出来るのです。生地の風合いと照明効果が織りなす表現は無限大。トータルライトコントロールを軸にお話すると、提案の幅自体がかなり広がるはずです。
(Casa BRUTUS最新号『居心地のいい照明術。』は、分かりやすい言葉で照明を紹介されているのでおすすめです。参考 P76~)
― 山邉さんがトータルライトコントロールを語れるようになったきっかけはありますか?
山)私はルートロンの取扱いを始める前は、そもそも調光について考えたこともありませんでした。ただ、アスカをはじめ多くの方と関わる中で「インテリアは明かりで変わる」ことを体感します。そしてトータルライトコントロールの本質に触れたとき、これはMANASにしか出来ないことだと確信しました。
美しいインテリアマテリアルの価値を知り、心地良い空間の提案をしてきた私たちだからこそ、その重要性を理解できるし、これからの美しい暮らしの創造には欠かせないと思ったのです。そこからは情熱をもって向き合うようになり、今ではセミナー後にお客様からルートロン社の方ですかと言われるまでに至りました。
― ルートロンについてお客様の反応をお聞かせいただけますか?
山)お客様にはルートロン社のことは知っていても、カーテンやローマンシェードと連動出来ることを知らない方が多くいらっしゃいます。森ビルの方からはまだ実際にルートロンを使用した事がないからよくわからない、お客さまに聞かれても答えられないから、勉強会をやって欲しいというリクエストがあり実施しました。
最近ではハウスメーカーからの問い合わせも増えています。コーディネーターの方々も、これからの物件に向けてもっと提案出来るよう詳しくなりたいという欲が高まっている状態です。受注にはまだ繋がっていなくても、そういう話が増えているのは良い兆しに感じています。
― 皆へのメッセージはありますか?
山)トータルライトコントロールを提案するためには、まずは自分たちが体感するのも大切だと思います。今後は、社員皆がトータルライトコントロールの良さを体験して貰えるようなショールームを使用したイベントを開催する予定です。数年後には皆がカーテンと同じくらい積極的に提案して、お客様をリードしている状況をつくりたいと思っています。
そして急速に変化する環境の中で、いまは皆でひとつの目標に向かって一致団結しなきゃいけないタイミングです。隣の人やさらに向こう側の人も何をしているのかとか意識しながら、互いに歩み寄る必要があると感じています。皆の明るい未来に向けてポジティブに進みましょう!
部署名: 営業2部
氏 名: 山邉 貴士(やまべ たかし)
入社日: 2010年4月
― MANASの入社経緯をお聞かせいただけますか?
山)前職は家具メーカーで働いていました。大阪へ異動して二年目の頃、先輩から電話がかかってきてコーヒー飲もうやと誘われました。行ってみるとそこには当時のMANAS大阪営業所所長の宮永さんがいらっしゃって、東京のコントラクトチームで人を募集しているという話を聞きました。MANASは椅子張り生地を扱っているメーカーとしか知らなかったのですが、面接を受ける事となり、そこで齋藤伸一さんにお会いします。印象的だったのは「うちの会社に入ってもらったら、何ができますか?」と、質問された事です。僕は「新しい風を吹かせたいです!」って本気で答えました。そしたら、伸一さんが「おー!それはいい」と快く受け入れてくださり、いまに至っています。
― 入社されてからどんなお客様を担当されてきましたか?
山)商業系のコントラクトを中心に担当していました。コントラクトはホテルの印象が強いと思いますが、例えば結婚式場やアパレルの店舗、スーパーブランドのフィッティングルーム、レストラン、専門学校の仕事などさまざまです。コントラクト案件を手掛けている方々に、商品だけではなくて、私たちはカーテンの縫製から工事までトータルでの提案が出来ることを浸透させていく事に注力しました。前回のプランドゥシー様をはじめ、カーテンメーカーというポジションの印象を変えていくような活動です。その結果、それまではMANASで少なかったコントラクト物件を確立するベースづくりが出来たのは、自分なりに頑張ったところだと思います。
パートナー企業について
客先名:ルートロンアスカ株式会社
客先名:株式会社モデュレックス